杉並不燃ごみ中継所廃止発表に対する当会の意見 2008年11月 杉並病をなくす市民連絡会
先般発表された杉並中継所の廃止(2009年3月予定)について、当会としての意見を
次のとおり表明します。
1.中継所廃止の理由について
当会では、会発足当初より杉並ごみ中継所の即時操業停止を強く要求してきました。それは、区行政がサボタージュしてきた周辺住民の健康調査を会として継続実施してきた結果から、杉並病被害が終息するどころか重篤化また広域化している実態を把握したがゆえです。中継所が原因物質を排出しつづける限り、その状況は悪化していくことが明らかであり、それ故、無条件に即時操業停止することを求め続けてきたものです。
しかしながら今回の中継所廃止の理由は、埋立地が限界になったが故に従来は「不燃ごみ」としてきた廃プラスティックを「燃やすごみ」と規定変えすることにより、中継所への搬入量を政策的に減少させているに過ぎず、行政が健康被害の実態を認めた結果ではありません。新たな健康被害の発生を阻止し、被害の重篤化を防ぐという意図は行政には全く無いことを批判しなければなりません。プラスティック廃棄物の抜本的な削減政策もなく、23区横並びの方針に従っただけなのですから。杉並病被害が継続している現実を認めず、調査も怠り、かくも長期間その操業を停止しなかった区行政の責任は誠に重大であり、今回の決定は遅きに失したものと考えます。操業停止は来年3月まで待つ理由などなく、即時停止するべきです。
2.今後おこなわれるべき対策について
操業停止にあたり、行政として実施すべきことは次のような事項と考えます。
・行政負担による周辺住民の健康被害実態調査。操業停止に先立って実施し、停止後
も追跡調査を実施すること。
・都および区による被害者救済のすみやかな実施。(その前提として、過去に遡り、
住居移転した方々も含めて被害者認定のための調査を行うこと。)
・中継所周辺大気中の化学物質モニタリング調査の発展継続。(現行のモニタリング
のように恣意的に少数の物質に限定するのではなく、排出されるすべての物質の調
査を行う。また停止前に拡充された項目による調査を開始し、停止後も継続を。)
・適切な跡地利用。(杉並病という廃プラ処理過程での重大な公害発生経験を決して
無駄にしてはならない。跡地を類似の健康被害を引き起こすことが指摘されている
廃プラリサイクル施設にするようなことは絶対に避けること。後世まで杉並病被害
の実態や発生メカニズムを詳しく学習することができる展示コーナー設置は、どの
ような跡地利用になっても必要。)
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