原因裁定--因果関係の認定

被害者18名は東京都を相手どり、公害等調整委員会(以下、公調委)に対し、中継所と健康被害との因果関係の認定を求める申請を行った。1997年7月にこの申請は受理され、以来20回に及ぶ審議のあと、今年2002年6月26日に、ようやく裁定が下された。

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裁 定 主 文  

1.別紙申請人目録1記載の申請人(*2)について、平成8年4月から同年8月頃に生じた別紙「健康不調一覧表1」記載の被害の原因は、被申請人(*1)の管理に係る杉並中 継所の操業に伴って排出された化学物質によるものである。

2.別紙申請人目録1記載の申請人(*2)のその余の申請及び別紙申請人目録2記載の申請人(*3)の 申請を以下いずれも棄却する。(*1);東京都、(*2);平成8年4月から同年8月頃に被害を受けたと判断される14名、(*3);中継所による被害ではないとする4名

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■因果関係について施設内及び周辺地域の「環境点検調査」によれば、中継所から排出される化学物質は、500にも及ぶとされる。裁定委員会は、「化学物質の数は2千数百万にも達し、その圧倒的多数の物質については、毒性を初めとする特性は未知の状態にあるといわれている。このような状況のもとにおいて、健康被害が特定の化学物質によるとの主張、立証を厳格に求めるとすれば、それは不可能を強いることになるといわざるを得ない」との立場にたち、「原因物質の特定ができないケースにおいても因果関係を肯定することができる」との画期的結論を出している。

■因果関係を認められた人々平成8年4月から同年8月頃に生じた健康被害については、中継所から排出された化学物質によるものとし、この期間に被害を受けたとされたのは、申請人18名のうち14名のみであった。

■因果関係を認められなかった人々公調委が「9月以降に被害を受けた」とする者および「症状が中継所による被害に該当しない」と判断した4名については棄却となっている。なお8月以前に発症して9月以降も症状が続いている者、或いは過敏症を併発した者についても、9月以降については該当しないと判断している。

■操業の継続発症者は重症化し多症状化の傾向があり、転入者も新たに発症し、被害は広域化している。しかし、公調委は被害期間を操業初期のごく限られた期間に限定し、被害が沈静化したという結論のもとに、操業は停止していない。

杉並病をなくす市民連絡会

杉並病は確かに存在し、 いまも無くなってはいません。 ただ、無いことにしたい人たちが 存在するだけです。

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