杉並病とは


 東京都は、収集車8~9台分の不燃ゴミを圧縮して、大型コンテナ車に積み替え、最終処分場に運びだす中継所を杉並区井草につくりました。これは、「都内各地から搬出される不燃ゴミをそのまま最終処分場に運ぶことにより起こる排ガスや交通渋滞を減らす」という目的によるものです。

 操業開始は1996年4月ですが、試運転開始の3月から、中継所周辺に住む人々や動物に健康被害があらわれ、施設周囲の植物にもさまざまな病態があらわれました。原因もわからず、治療法もわからず、他に例をみない被害の複雑さ・過酷さから、いつか『杉並病』といわれるようになりました。「化学物質過敏症」の一種とみる人もいますが、症状はこれを越えた多様なものです。

 東京都は当初硫化水素による一過性の被害としましたが、住民らは、施設から排出される化学物質による大気汚染が原因と主張してきました。東京都、杉並区による環境点検調査によれば、この施設および周辺の大気からは、すでに名の知られた物質が約350種も検出され、更に「未同定物質」も多数検出されています。既に命名されているものといえども、その毒性についてはそのほとんどが未確定であり、まして名も知られぬ「未同定物質」の性質については判別も不可能です。

 いずれにしても、現地では、多種多様な化学物質が検出されています。しかし、東

京都は「周辺の大気は他地域と変わらない」としました。住民からの訴えを受けた国の公害等調整委員会は、2002年6月26日、健康被害が中継所から排出される化学物質によるものであるとの判断(裁定)をくだしました。同時に、同委員会の「被害は操業開始時5ケ月以降は沈静化している」との判断により、中継所の操業はつづいています。(裁定の詳細については後述)被害は、しかし、転入者にも新たに広がり、被害者の症状は複雑・重篤化しています。

杉並病をなくす市民連絡会

杉並病は確かに存在し、 いまも無くなってはいません。 ただ、無いことにしたい人たちが 存在するだけです。

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